元警視庁通訳捜査官の坂東忠信氏が、来日外国人のうちでも中国人の犯罪は飛びぬけて多いと言っておられました。来日外国人の犯罪の半数近く(約40%が)中国人による犯罪であるとか。
しかし、中国人の来日総人数そのものが多いので、犯罪者人数の数値を見るだけで批判するのは公平ではありません。客観的に来日人数と犯罪者数との比率を各国別に以下に見ていきましょう。
平成24年のデータを、国名、刑法犯罪者数、来日人数、犯罪比率、の順に記します。
中国 2095人 1424千人 147人/10万人
ベトナム 1225人 55千人 2227人/10万人
韓国 1089人 2042千人 53人/10万人
ブラジル 1004人 32千人 3137人/10万人
フィリピン 513人 85千人 603人/10万人
台湾 109人 1465千人 7人/10万人
(参考)日本 1.2億人 138万件 1083件/10万人
犯罪比率は、刑法犯罪者数を来日人数(10万人単位)で単純に割ったものである。不法滞在などの特別法犯は全くデータに含んでいません。道路交通法犯も含んでいません(日本のデータも)。
さて、上記データから判るのは、中国人の犯罪人数は多いが、最右欄の犯罪比率で見ると中国より更に凶悪な人が多い国があるということです。それは、ブラジル、ベトナム、フィリピンです。もしも来日外国人をマークして尾行するなら、中国人より一桁も犯罪率の高いブラジル人やベトナム人でしょう。中国人だけを責めてはいけません。
また、上記表の最下段に参考として日本の犯罪率を挙げましたが、1083という値は数字だけ見ると、非常に高いものです。凶悪なブラジル、ベトナムに次ぐものです。日本も凶悪な人の国なのでしょうか。しかしながら、この日本の10万人当たりの犯罪率と、他の来日外国人犯罪率とは単純には比較できません。個々の来日外国人は日本に一年中居るわけではありません。観光客は平均滞在日数10日足らずで帰っていきます。もしも来日外国人の殆どが観光客なら365日のうち一人約9日であるので、常時日本に居る人数は365÷9≒40で上記来日人数の40分の1となります。即ち、逆に来日外国人の10万人当たりの犯罪比率は上記の右欄の数値の最高40倍となる可能性が有ります。実際は、商用客の平均滞在日数はもう少し長いだろうし、学生などはもっと長い。観光客の比率は6割~8割なので非常に大まかに言うと犯罪比率の数値的には10倍~20倍程度となるでしょう。また、日本のデータは人数ではなく件数である点も多少の修正が必要です。
どのみち、粗い大まかな比較しか出来ませんが、上記の滞在日数での修正を加えると、中国人、韓国人の犯罪率は日本人とほぼ同じ。台湾人は善良。ベトナム人、ブラジル人、(フィリピン人)は危険。ということになります。ここでも中国人を責めるべきではないことが判ります。
それにしても、数字をまじまじと見ると少しぞっとします。データから言うと、日本人は、100人居るとそのうち一人が一年以内に万引きか何かやらかして警察に捕まるということなのです。そして、ベトナム人とかブラジル人とかは、100人居るとそのうち一年以内に何かやらかす人が2割から3割も居るということです。
私はベトナムには何度も訪れています。夜の街も回りました。しかし、上記のデータにあるような犯罪多発で身の危険を感じることは一度もありませんでした。ハノイもホーチミンシティも穏やかな街でした。むしろ、異民族が街にたむろするイタリアのほうが怖かった。上述の計算による異常な高い犯罪率は、民族性では全く無く、何かの特殊事情によるものと思います。現に、上のデータの中で、同じ中国人でも大陸と台湾とでは全くレートが異なります。一つの民族を十把一絡げにして論ずることは絶対にしてはなりません。そして、当然のことながら、最終的には各個人個人の資質の問題に帰します。
何はともあれ、確率としては、先ずはあなたの周りの日本人にご注意!